運賃を記載した荷物は、「要相談」の2.4倍決まっている〜成約までの時間も要相談の半分に〜

荷物登録画面の運賃欄。相場が読みきれない、社内の決裁が要る、少しでも安く抑えたい——理由はさまざまですが、直近1年(2025年8月〜2026年7月)にTRABOXへ登録された荷物約405万件のうち、12.9%・約52万件が「要相談」でした。この52万件がその後どうなったのか。運賃を記載した荷物と並べてみると、差はかなりはっきりしています。

1.1年通して、成約率の差は2倍を超えていた

直近1年でみると、運賃を記載した荷物は要相談の約2.4倍の割合で成約しています。

月ごとに見ても、12か月すべてで運賃記載側が上。差は最も小さい月で2.1倍、最も開いた月で2.9倍です。開きが最大だったのは2026年3月の要相談での登録が最も多かった月でもあります。年度末で車が捕まりにくい時期に、金額なしの荷物が最も置いていかれた形です。

2.「条件の悪い荷物が要相談に偏っているだけ」ではなかった

ここで当然の疑問が出ます。長距離や特殊な荷物、相場が読みにくい案件が要相談に集まっているなら、決まりにくいのは当たり前ではないか。そこで、同じ月・同じ発地県・同じ着地県・同じ車両重量・同じ車型の荷物どうしだけで比べ直しました。条件が一致した要相談について、隣に並んでいた運賃記載の荷物の成約実績をあてはめると

条件を揃えても、2.1倍の差が残りました。件数にすると年間で約5.8万件。「同じ荷物が運賃記載で出ていれば決まっていたかもしれない数」の目安です(全件が同じ条件で登録し直された場合の上限値で、登録を見送るケースや単価の下振れは織り込んでいません)。

3.要相談を半分に減らすと、成約数はどれだけ変わるか

自社に置き換えてみます。月に100件登録していて、うち80件が要相談という荷主を考えてください。この2.1倍という差をあてはめると、要相談の割合を下げたときの成約数はこう動きます。

80件を40件に減らすだけで、成約数は約1.4倍。 登録件数は100件のまま、営業も増やさず、運賃欄を埋めるだけの変化です。月に10件決まっていたなら13〜14件、30件なら41件という水準になります。もちろんこれは「同じ荷物が同じ条件で運賃記載として出た場合」の理論値で、実際には金額の付け方次第で上下します。それでも、成約率が大幅に向上することは大きな価値になります

4.差の正体は、決まるまでの「待ち時間」

では何が起きているのか。閲覧ログを見ると、要相談の荷物も平均2.88社に見られています(運賃記載は3.53社)。閲覧ゼロで終わる荷物はどちらも1%前後。「運賃未定を除く」条件での検索は全検索の2.9%にすぎず、一覧から消えているわけでもありません。見られてはいる。決まらない。 差が生まれているのは、見た後の一手間です。今日・明日の空車を埋めたい運送会社は、金額が出ている荷物から順に問い合わせます。要相談は「連絡して金額を聞く」工程が挟まるぶん後回しになる。その「後回し」は、時間としても測れます。無事に決まった荷物だけを取り出して、登録から成約までにかかった時間を比べました。

中央値で要相談122分に対し、運賃記載は62分。ちょうど2倍です。決まった荷物のうち1時間以内に決まった割合も、運賃記載49.5%に対し要相談40.0%にとどまります。
差が効くのは急ぎの荷物です。当日発は19分対11分、翌日発は24分対17分。数分の違いに見えますが、当日・翌日の配車は分単位で埋まっていきます。その数分のあいだに、別の荷物が同じ車を押さえる。 発日まで2日以上ある荷物では要相談4.8時間・運賃記載2.6時間と、絶対値の差はさらに開きます。運賃を書いておくことは、決まる確率を上げるだけでなく、決まるまでの時間を半分にする手当てでもあります。

5.明日からできる3つのこと

1. 書くのは「実際に払ってよい額」
正解の金額を当てる必要はありません。荷物検索で同じ発着・同じ車格の掲載運賃を数件見れば、水準はすぐつかめます。ここで大事なのは、上限いっぱいを書かないことです。運賃を記載した荷物は約9割が提示額どおりに成約しているので、書いた数字はそのまま支払額になると考えたほうが実態に近い。相場の中位あたりから置いて、決まり方を見ながら調整するのが早道です。
金額を動かさずに調整余地を残したいなら、高速代・待機・附帯作業の扱いを備考に書く。価格そのものより、条件のほうが交渉の材料になります。

2. 全部やらなくていい。まず定番ルートから
毎週同じ発着・同じ車格で出る荷物は、過去の成約運賃がそのまま使えます。要相談をゼロにする必要はありません。先の試算のとおり、半分に減らすだけで成約数は1.4倍の水準です。まずは繰り返し出る定番の荷物から金額を入れる。ここが件数の多い部分なので、効果も出やすい。

3. 決裁が理由なら、ルート×車格の基準運賃を先に決めておく
登録のたびに上司へ確認しているなら、主要ルートごとに出してよい金額をあらかじめ社内合意しておく。登録担当者がその場で判断できるようになれば、要相談は自然に減ります。

成約率を上げるコツは他にもございます。こちらのコラムにも掲載中です!ぜひ、ご一読ください!
【コラム】荷物登録で成約率が変わる7つの項目

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