
運送業務支援プラットフォーム「トラボックス」では、特定の運送会社だけに情報を公開できる「限定荷物」の取り扱いが広がっています。
2026年に限定荷物を受け始めた運送会社443社の実績データを集計したところ、1社あたりの月平均受託金額は前年同期比+34%、全体の69%の会社で受託金額が増加していました。
本コラムでは、443社の実データをもとに、限定荷物を活用する運送会社に何が起きているのかを詳しく見ていきます。
限定荷物とは、荷主・元請企業が公開範囲を絞って掲載する荷物情報のことです。
通常の荷物情報(一般荷物)がトラボックスの会員全体に公開されるのに対し、限定荷物は指定した特定の運送会社にのみ表示されます。
公開範囲が絞られているため、一般荷物と比べて競合が少なく、条件の合う運送会社にとっては受託につながりやすい荷物情報といえます。荷主側にとっても、信頼できるパートナー候補に絞って荷物を出せるため、マッチングの質を高めやすい仕組みです。

この限定荷物を2026年から受け始めた運送会社は、受託金額の面でどのような変化があったのでしょうか。実際のデータを見ていきます。
限定荷物の詳しい内容はこちら
https://www.trabox.ne.jp/carrier/cluster.html
今回の集計対象は、次の3つの条件をすべて満たす運送会社443社です。
・2025年3〜5月にトラボックス経由での受託実績がある
・限定荷物の初受託が2026年である(=2025年時点では限定荷物の受託実績ゼロ)
・2026年3〜5月に実際に限定荷物での受託実績がある
つまり「もともと一般荷物で受託していた会社が、限定荷物を受け始めた前後で受託金額がどう変わったか」を、同一の443社について前年同期比で比較しています。
なお、本コラムでいう受託金額は「一般荷物の受託金額+限定荷物の受託金額」の合計です。比較期間はいずれも3〜5月の3ヶ月間で、季節要因の影響を揃えています。
限定荷物を受け始める前の2025年3〜5月、443社の1社あたり月平均受託金額は898,651円でした。これが限定荷物を受け始めた後の2026年3〜5月には1,204,031円となり、1社あたり月平均で305,380円、率にして+34%の増加となりました。

増加は一部の会社に偏ったものではなく、443社のうち69%の会社で受託金額が前年同期を上回っています。約7割の会社で増加しているという分布の広がりは、この結果が少数の急成長企業に引っ張られたものではないことを示しています。
443社の合計受託金額(3ヶ月計)で見ると、2025年3〜5月の約11億9,400万円に対し、2026年3〜5月は約16億円。3ヶ月間で約4億600万円の増加です。

限定荷物を受け始めた運送会社群は、グループ全体としてもトラボックス経由の受託規模を大きく拡大させていることがわかります。
443社が限定荷物経由で受託した金額は、2026年3〜5月の3ヶ月間で1億900万円にのぼります。1社あたりに換算すると月およそ80,000円の受託が、限定荷物という新しいチャネルから生まれている計算です。
この443社は、2025年時点では限定荷物の成約実績がゼロだった会社です。つまりこの1億900万円は、限定荷物という選択肢がなければ発生していなかった可能性のある、純粋に新しい受託チャネル経由の実績といえます。
1社あたり月8万円という金額は、会社全体の売上規模から見れば決して大きくないかもしれません。しかし、既存の営業活動や一般公開荷物の成約と合わせて、追加コストをほとんどかけずに獲得できるチャネルとして、有効です。
ここまでの数字を見ると「限定荷物を受ければ受託金額が34%増える」と読みたくなりますが、この解釈は正確ではありません。誠実にお伝えすると、今回のデータからいえるのは「限定荷物を活用している会社は、受託金額を伸ばしている傾向がある」という相関関係までです。
実際、443社の受託金額の内訳を見ると、限定荷物以外(一般公開荷物)の受託金額は前年同期比で横ばい〜微減の水準にとどまっています。受託金額全体の伸びには、限定荷物経由の新規受託に加えて、各社の営業努力や事業成長など複数の要因が寄与していると考えられます。もともと成長局面にある意欲的な会社ほど、限定荷物のような新しいチャネルを積極的に試す傾向がある、という側面もあるでしょう。
一方で確実にいえるのは、限定荷物が「既存の成約に上乗せされる、実際に稼働している新規チャネル」として機能していることです。3ヶ月で1億900万円という限定経由の受託実績は、伸びている会社が新しい荷物獲得の選択肢を一つ増やした結果として、着実に積み上がっています。
限定荷物を使っている企業様の声はこちら
https://www.trabox.ne.jp/carrier/interview_detail.html?cid=4ltn2gszq
限定荷物は、荷主側が公開先を選ぶ仕組みである以上、運送会社側は「選ばれる状態」を整えておくことが受託の前提になります。具体的には次のような点がポイントです。
対応可能なエリア・車格・荷種が正確に登録されているほど、条件の合う限定荷物が届きやすくなります。
一般荷物での確実な対応実績は、荷主が公開先を選ぶ際の判断材料になります。
公開範囲が絞られている分、1件ごとの受託チャンスは一般荷物より大きくなります。掲載情報をこまめに確認する運用体制が受託率を左右します。
2026年に限定荷物を受け始めた運送会社443社のデータからは、次のことがわかりました。
・1社あたり月平均受託金額は898,651円→1,204,031円(前年同期比+34%)
・443社のうち69%の会社で受託金額が増加
・443社合計の受託金額は3ヶ月で約4億600万円増加(約11億9,400万円→約16億円)
・限定荷物経由の新規受託は3ヶ月で1億900万円(1社あたり月およそ8万円)
限定荷物を「受ければ売上が増える」と断定することはできませんが、成長している運送会社の多くが限定荷物を新しい荷物獲得チャネルとして活用し、実際に成約を積み上げていることは、データがはっきりと示しています。
荷物の獲得チャネルを増やしたい運送会社の方は、まずはトラボックスの求荷求車サービスで日々の取引実績を積み重ねるところから始めてみてください。
【注記】
・本コラムの数値は、トラボックスの取引データをもとに集計したものです。
・集計対象:2025年3〜5月に受託実績があり、2026年に初めて限定荷物を受託し、2026年3〜5月に限定荷物の受託実績がある運送会社443社。
・受託金額(受託GMV)=一般荷物受託金額+限定荷物受託金額。
・本データは限定荷物の活用と受託金額増加の相関関係を示すものであり、因果関係を証明するものではありません。個社の成果を保証するものでもありません。