
物流・運送業界は今、いわゆる2024年問題やトラック適正化二法の施行など、大きな転換期を迎えています。こうした中、2026年9月10日(木)、国土交通副大臣・佐々木紀氏をお招きし、意見交換会「トラック新時代の現場を語る」を開催いたしました。
ご参加いただいたのは、全国の実運送事業者(経営者・専務・常務などの決裁権者)の皆さまです。適正運賃・ダンピング問題や外国人ドライバーの採用、担い手不足など、現場が日々直面している課題をテーマに、副大臣と参加企業との間で率直な意見が交わされました。本コラムでは、当日の様子をレポートいたします。
今回ご登壇いただいた佐々木紀氏のプロフィールをご紹介いたします。
- 氏名:佐々木 紀(ささき はじめ)
- 現職:国土交通副大臣
- 選出区:石川県第2区(衆議院議員・当選6回)
- 学歴:東北大学法学部卒業(1998年3月)
- 主な経歴:
・食品輸入会社起業(1998年4月)
・衆議院議員初当選(2012年12月)
・国土交通大臣政務官(2019年9月)
・自由民主党国土交通部会長(2023年9月)
・国土交通副大臣(2025年10月~、第1次・第2次高市内閣)
- 日時:2026年9月10日(木)15:30~17:30
- 対象:実運送事業者(経営者・専務・常務などの決裁権者)
- 主催:トラボックス株式会社
- モデレーター:トラボックス株式会社 代表取締役社長 皆川 拓也
1.開会挨拶・佐々木副大臣ご挨拶
冒頭、モデレーターを務めるトラボックス代表取締役社長・皆川 拓也より開会挨拶と趣旨説明を行い、続いて佐々木副大臣よりご挨拶をいただきました。物流を支える現場の声を政策に届けたいという開催趣旨のもと、適度な緊張感に包まれながら会がスタートしました。
2.全員参加型ディスカッション
自己紹介に続き、佐々木副大臣を交えたフリーディスカッションが行われました。適正運賃・ダンピングをはじめとする取引環境の課題から、外国人ドライバーや若手人材の採用・定着、燃料費や車両価格の高騰といったコスト面の負担、建設業界の仕組みを参考にした業界健全化の方向性まで、幅広いテーマが議論の対象となりました。
当日は、主に下記7点について議論が行われました。
・ 建設業の「CCUSモデル」に学ぶ視点:ドライバーのキャリアや就労実績を見える化する建設キャリアアップシステムの、トラック業界への導入提案。
・ 適正運賃・ダンピング問題の実態:価格転嫁率が全業種中最下位の34.5%(中小企業庁・2026年3月調査)にとどまる実態と、適正原価の告示やトラック・物流Gメンによる荷主への立入調査など規制強化の方針。
・ 許可更新制と法改正:2028年に施行が予定される5年ごとの許可更新制(既存事業者の更新申請は2030年以降に順次開始)に加え、運賃水準・ダンピングの審査や多重下請け構造の規制。
・ 外国人ドライバー採用の課題:免許取得や生活費まで事業者が全面負担する採用コストの高さと、安価な労働力ではなく重要な担い手として受け入れる必要性。
・ 担い手不足・若者に選ばれる業界づくり:職業体験やPR活動の強化、AI時代における「手に職のある仕事」としての価値の再評価。
・ コスト・制度面の負担:燃料費や大型車両価格の高騰、3カ月点検と年1回の車検制度に対する見直しを求める声。
・ 業界の健全化に向けた仕組みづくり:ルールを守る事業者が報われる仕組みや、Gマーク取得事業者への優遇の必要性。
3.佐々木副大臣への質問
ディスカッションを踏まえ、参加企業から佐々木副大臣へ直接質問を投げかける時間も設けられました。日々の運行の中で感じている疑問や要望が率直に伝えられ、現場と政策の距離を縮める機会となりました。
4.副大臣からの最後の言葉・総括
意見交換の最後に、佐々木副大臣より総括のお言葉をいただきました。副大臣は、現場の生の声を直接聞けたことは得がたい機会であったとしたうえで、今回挙がった課題の多くがこれまでも様々な場で寄せられてきた声であることに触れ、国交省の政策がいまだ十分な実効性を持てていない点について率直に振り返られました。
そのうえで、制度という器は整った段階にあるからこそ、そこに魂を入れ、現場で実際に機能するものへと育てていく必要があるとし、行政と現場の事業者、業界関係者が連携しながら取り組んでいく姿勢を改めて示されました。
今回いただいた声を今後の政策運営にしっかりと活かしていきたいとの言葉をいただき、モデレーターによる総括で会は締めくくられました。
会の終了後には、ご参加いただいた企業の皆さまより多くのご感想をお寄せいただきました。その一部をご紹介いたします。
「素晴らしい意見交換の場に参加させていただき、ありがとうございました。今日からの仕事にまた勢いがつくような、充実した時間になりました。」(北海道・運送会社A/代表取締役社長様)
「学びの多い時間となりました。このような場を設けていただいたトラボックスの皆さま、そしてご参加された企業の皆さまに、この場をお借りして改めて感謝申し上げます。」(石川県・運送会社B/専務取締役様)
「副大臣にお越しいただけるような場に参加できたことを、誇りに思います。何より、久しぶりに顔を合わせる皆さまにお会いできたことが、同窓会のようで嬉しいひとときでした。トラボックスさんの今後の企画も楽しみにしています。」(栃木県・運送会社C/代表取締役社長様)
「あいにくの天候ではございましたが、非常に有意義なお時間であったと思っております。またこのような機会がございましたら、ぜひ参加させていただきたく思います。」(福岡県・運送会社D/代表取締役社長様)
ご多用の中ご参加くださった運送会社の皆さま、そしてお忙しい中ご登壇いただいた佐々木副大臣に、心より御礼申し上げます。
トラボックスは、1999年のサービス開始以来、四半世紀以上にわたり運送情報のマッチングプラットフォームを運営してきた立場から、今後も現場のリアルな声を政策形成へとつなげる架け橋として、このような対話の場を継続してまいります。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。